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金子達仁 カズ [サッカー]




金子達仁 カズ

スポーツライターの金子達仁さんですが今年で44~45歳になる
カズさんについて言及されています


昨年の東日本大震災後の初の試合で
年齢的にも厳しいであろうカズさんがゴールを
決めた瞬間についてべた褒めしています


以下記事の引用



 多くの方がそうだったように、わたしも、カズのゴールには度肝を抜かれた。持っている、なんて陳腐な言葉では到底表現できない、聖なる運命のようなものさえ感じた。気心知れた仲間とプレーする所属チームでの得点すら少なくなってきた44歳が、即席チームの一員としてプレーしたにもかかわらず、日本代表のゴールネットを揺らしたのだ。これはもう、ほとんどおとぎ話の世界だといっていい。

 本人のたゆまぬ努力がなければ起こりえなかった奇跡であることは間違いない。だが同時に、彼の力だけではこの奇跡も起こらなかったのではないか、とも思う。闘莉王の落としに飛び出す彼のスピードは、W杯フランス大会の最終予選を戦っていた時よりも素早く、鋭く見えた。大げさではなく、何かが乗り移った、あるいは何かが強烈な力で彼の背中を後押ししているように見えた。

 誰も抗(あらが)えないはずの“時の流れ”を、あの瞬間のカズはくい止めていた。逆転させていた。なにがそうさせたのか。

 小笠原の言葉だったのではないか。

 被災地を映像でしか見ていないわたしたちは、それでも、ある程度現状を知ったような気分になっている。だが、テレビは、新聞は、雑誌は、変わり果ててしまった亡骸(なきがら)を写すことはない。そこかしこに死体が転がるという地獄のような状況は、現場に足を踏み入れた者にしかわからないだろう。

 小笠原は、足を踏み入れてきた。報道されないものを目にし、報道では伝わってこない匂(にお)いを嗅(か)いできた。そんな彼の言葉は、圧倒的なリアリティーを持ってカズたちの胸に突き刺さったに違いない。なんとしても力になりたい、ならなければという激情にも似た思いを沸き立たせたに違いない。

 そして、奇跡が起きた。簡単に使いたくない言葉だが、あのゴールは、まごうことなき奇跡だった。強い、爆発的に強い思いがあれば、44歳の選手にあれだけの速さが甦(よみがえ)る。ならば、と思う。もしすべての日本人が、あの日のカズの心で戦うならば、W杯優勝なんて簡単なことなのではないか、と。






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